【第3回】テーマとコンセプトを固める

こんにちは、「イチからノベル」管理人です。
前回は小説のジャンルを決める重要性について触れました。今回は、物語を支える土台ともいえる テーマとコンセプト を考えていきます。ここが曖昧なままだと、書き進めているうちに方向性を見失いやすくなります。逆にしっかり固めておけば、物語全体がぐっと引き締まり、読者に強い印象を与えることができます。


テーマとは何か?

テーマとは、物語を通して伝えたい メッセージや問いかけ のことです。
例えば――

  • 友情の大切さ
  • 家族の絆
  • 人間の欲望の危うさ
  • 夢を追い続けることの価値

こうした抽象的な言葉がテーマに当たります。テーマは必ずしも物語の表面に出る必要はありませんが、ストーリーの奥底で物語を支える 「軸」 として存在します。


コンセプトとは何か?

一方、コンセプトは 作品の方向性や読者にどのような体験を届けたいか を示します。
例えば――

  • 「高校生たちの部活動を通して友情を描く」
  • 「異世界で復讐を果たす冒険譚」
  • 「未来都市を舞台にしたサスペンス」

コンセプトは読者に 「どんな物語なのか」 を直感的に伝える要素です。キャッチコピーのような役割を持ち、ジャンルとテーマをつなぐ存在と考えると分かりやすいでしょう。


テーマとコンセプトの関係

テーマとコンセプトはよく混同されますが、それぞれの役割は異なります。

  • テーマ:物語を通して伝えたいメッセージ
  • コンセプト:物語の方向性や特徴

たとえば 「友情の大切さ」 というテーマを、「宇宙を舞台にした少年たちの冒険」 として描けば、それがコンセプトになります。テーマは 内面的な部分、コンセプトは 外面的な見せ方 と考えると整理しやすいです。


固めるための手順

テーマとコンセプトを考えるとき、初心者の方におすすめなのは次の流れです。

  1. 自分が描きたい気持ちを言葉にする
     「誰かと支え合う物語が書きたい」「夢を諦めない姿を描きたい」など、まずは思いつくままに書き出してみましょう。
  2. それを一言でまとめる
     「友情の力」「夢を追う勇気」など、短いフレーズに圧縮するとテーマが見えてきます。
  3. 舞台やシチュエーションを決める
     「学園もの」「異世界」「現代社会」など、設定を加えることでコンセプトの輪郭が出てきます。
  4. キャッチコピーを作る
     「異世界で出会った仲間と、夢を追う冒険譚」など、読者に一目で伝わる形にしてみましょう。

ありがちな失敗と注意点

  • テーマを盛り込みすぎる
     あれもこれもと詰め込むと、焦点がぼやけてしまいます。まずはひとつに絞ることが大切です。
  • コンセプトが曖昧なまま書き始める
     「とりあえず書く」でも短編なら成立しますが、長編では途中で方向性を見失いがちです。最初に 「この物語は何をする話か」 を明確にしておきましょう。
  • 流行だけを追いすぎる
     人気ジャンルに寄せるのも手ですが、必ず自分なりの視点を加えることが大切です。

まとめ

テーマとコンセプトは、小説における 設計図のような存在 です。

  • テーマは 伝えたいメッセージ
  • コンセプトは 物語の方向性

この二つを明確にしておけば、物語全体が揺らがず、読者にもはっきりと伝わります。

次回は 「登場人物を作ろう」 をテーマに解説していきます。キャラクターづくりは物語を一気に生き生きとさせる重要な要素ですので、ぜひ楽しみにしていてください。

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