こんにちは、「イチからノベル」管理人です。
前回は小説のジャンルを決める重要性について触れました。今回は、物語を支える土台ともいえる テーマとコンセプト を考えていきます。ここが曖昧なままだと、書き進めているうちに方向性を見失いやすくなります。逆にしっかり固めておけば、物語全体がぐっと引き締まり、読者に強い印象を与えることができます。
テーマとは何か?
テーマとは、物語を通して伝えたい メッセージや問いかけ のことです。
例えば――
- 友情の大切さ
- 家族の絆
- 人間の欲望の危うさ
- 夢を追い続けることの価値
こうした抽象的な言葉がテーマに当たります。テーマは必ずしも物語の表面に出る必要はありませんが、ストーリーの奥底で物語を支える 「軸」 として存在します。
コンセプトとは何か?
一方、コンセプトは 作品の方向性や読者にどのような体験を届けたいか を示します。
例えば――
- 「高校生たちの部活動を通して友情を描く」
- 「異世界で復讐を果たす冒険譚」
- 「未来都市を舞台にしたサスペンス」
コンセプトは読者に 「どんな物語なのか」 を直感的に伝える要素です。キャッチコピーのような役割を持ち、ジャンルとテーマをつなぐ存在と考えると分かりやすいでしょう。
テーマとコンセプトの関係
テーマとコンセプトはよく混同されますが、それぞれの役割は異なります。
- テーマ:物語を通して伝えたいメッセージ
- コンセプト:物語の方向性や特徴
たとえば 「友情の大切さ」 というテーマを、「宇宙を舞台にした少年たちの冒険」 として描けば、それがコンセプトになります。テーマは 内面的な部分、コンセプトは 外面的な見せ方 と考えると整理しやすいです。
固めるための手順
テーマとコンセプトを考えるとき、初心者の方におすすめなのは次の流れです。
- 自分が描きたい気持ちを言葉にする
「誰かと支え合う物語が書きたい」「夢を諦めない姿を描きたい」など、まずは思いつくままに書き出してみましょう。 - それを一言でまとめる
「友情の力」「夢を追う勇気」など、短いフレーズに圧縮するとテーマが見えてきます。 - 舞台やシチュエーションを決める
「学園もの」「異世界」「現代社会」など、設定を加えることでコンセプトの輪郭が出てきます。 - キャッチコピーを作る
「異世界で出会った仲間と、夢を追う冒険譚」など、読者に一目で伝わる形にしてみましょう。
ありがちな失敗と注意点
- テーマを盛り込みすぎる
あれもこれもと詰め込むと、焦点がぼやけてしまいます。まずはひとつに絞ることが大切です。 - コンセプトが曖昧なまま書き始める
「とりあえず書く」でも短編なら成立しますが、長編では途中で方向性を見失いがちです。最初に 「この物語は何をする話か」 を明確にしておきましょう。 - 流行だけを追いすぎる
人気ジャンルに寄せるのも手ですが、必ず自分なりの視点を加えることが大切です。
まとめ
テーマとコンセプトは、小説における 設計図のような存在 です。
- テーマは 伝えたいメッセージ
- コンセプトは 物語の方向性
この二つを明確にしておけば、物語全体が揺らがず、読者にもはっきりと伝わります。
次回は 「登場人物を作ろう」 をテーマに解説していきます。キャラクターづくりは物語を一気に生き生きとさせる重要な要素ですので、ぜひ楽しみにしていてください。
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