こんにちは、「イチからノベル」管理人です。
前回はテーマとコンセプトについて解説しました。
物語の背骨を決めたら、次はいよいよ 登場人物づくり に入ります。
キャラクターは読者にとって物語を理解する「窓」であり、魅力的な人物がいればいるほど、小説の世界に引き込む力は強まります。
なぜ登場人物が重要なのか?
小説は出来事の羅列ではなく、人物の行動と選択の積み重ね で成り立ちます。
読者が感情移入するのは「ストーリー」そのものよりも、「ストーリーを生きているキャラクター」です。もしキャラクターが薄っぺらければ、どんなに壮大な設定をしても読者の心には響きません。
主人公を決める
最初に考えるべきはやはり 主人公 です。主人公は物語を動かす存在であり、テーマやコンセプトをもっとも強く体現します。
主人公を作るときは次の点を意識すると良いでしょう。
- 目的を持たせる
「何をしたいのか」がはっきりしていない主人公は動きません。目標があることで行動が生まれます。 - 欠点を与える
完璧すぎる人物は共感を呼びません。弱点や葛藤があるからこそ、成長やドラマが生まれます。 - 読者が共感できる要素を持たせる
どんな世界でも「人間らしい感情」が必要です。小さな悩みや日常的な欲望があることで、リアリティが増します。
脇役と敵役の役割
物語は主人公だけでは成立しません。脇を固めるキャラクターも大切です。
- 味方(友人・仲間)
主人公の良さを引き出す役割を担います。対話や行動を通じてテーマを際立たせる存在です。 - 敵(ライバル・悪役)
物語に緊張感を与えます。単なる障害ではなく、主人公と対比することでテーマを深められます。 - サブキャラ(家族・周囲の人々)
物語に厚みを持たせる要素です。小さな一言や行動が、主人公の心を動かすきっかけになることもあります。
良いキャラクターは「役割」を持ち、物語に必要だから存在する のです。
キャラクターを作るときの視点
キャラクターを練る際に便利な視点を紹介します。
- 外見:背丈、髪型、服装など。読者のイメージをつかみやすくします。
- 性格:短気、穏やか、冷静など。行動の一貫性を支える要素です。
- 口調やクセ:言葉づかいや仕草。個性を際立たせます。
- 背景や環境:家族構成や過去。物語の深みを生みます。
- 価値観や信念:ここが一番重要。キャラクターの選択や行動の軸になります。
全部を最初から完璧に決める必要はありません。物語を書き進めながら肉付けしていくのも自然な方法です。
ありがちな失敗と注意点
- キャラクターが多すぎる
最初から大人数を出すと管理できなくなります。初心者は主要人物を3〜5人程度に絞るのがおすすめです。 - キャラクターが似通っている
全員が同じ口調や性格だと読者が混乱します。対比を意識して差を出しましょう。 - 役割がないキャラクター
「出てくる意味がない」人物はカットした方が物語が引き締まります。
まとめ
登場人物は小説の心臓部です。
- 主人公には 目的と欠点 を与える
- 脇役や敵役は 物語に役割を持たせる
- キャラクターの個性は 外見・性格・価値観 で差別化する
こうして生み出したキャラクターが動き出すと、物語は自然に進み始めます。
次回は 「プロットを組み立てる」 をテーマに解説します。物語をどう展開していくか、設計図を作るステップに進んでいきましょう。
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