こんにちは、「イチからノベル」管理人です。
前回は 「舞台設定と世界観を作る」 をテーマにお話ししました。舞台が整えば、登場人物が動き出し、物語の雰囲気も自然に決まってきます。さて、ここで次に必要になるのが プロット(物語の設計図) です。
「プロットなんてなくても書ける!」という方もいるでしょう。確かに、アイデアに任せて書き進めるスタイルもあります。しかし多くの場合、途中で行き詰まったり、話が迷走してしまったりする原因になります。そこで今回は、初心者でも取り入れやすい プロットの基本的な組み立て方 を解説します。
プロットとは「物語の地図」
プロットは簡単に言えば、物語の地図や設計図 のようなものです。どんな順番で出来事が起き、キャラクターがどう動いていくかを整理しておくことで、迷子にならずに書き進められます。
プロットを作ることで得られるメリットは大きく3つあります。
- 物語全体の流れを把握できる
- 書いている途中でブレにくい
- 必要な伏線や回収を事前に考えられる
あくまで「道しるべ」なので、必ずしも完璧に従う必要はありません。書きながら変更しても構わないのです。
基本的な流れを押さえよう
小説の多くは、起承転結 や 三幕構成 と呼ばれる基本パターンに沿って展開されます。
起承転結
- 起:物語の始まり、人物や舞台を紹介する
- 承:物語が動き始め、問題が表面化する
- 転:大きな変化やクライマックスに向かう展開
- 結:物語の結末、問題の解決や余韻
三幕構成(映画や小説でよく使われる)
- 第一幕(導入):世界観と主人公を紹介し、物語を動かす事件が起きる
- 第二幕(展開):主人公が困難に直面し、試練を乗り越えようとする
- 第三幕(解決):クライマックスで最も大きな対立が起こり、結末を迎える
どちらも「物語にメリハリをつける」という目的は同じです。まずは自分がイメージしやすい型を選んでみましょう。
プロットの作り方ステップ
では実際にどう作ればよいのか、段階ごとに見ていきましょう。
- 大まかなあらすじを書く
- まずは物語全体をざっくり100〜200文字程度で説明してみます。
- 例:「主人公が村を襲った怪物を追い、仲間と共に旅をする物語」
- 主要な出来事を箇条書きにする
- 物語に必要なイベントをリスト化します。
- 例:「怪物の襲撃」「仲間との出会い」「裏切り」「最終決戦」
- 起承転結(または三幕構成)に当てはめる
- 出来事を順序立てて配置します。
- 例:「起=村が襲われる」「承=旅に出る」「転=仲間の裏切り」「結=怪物を討伐」
- キャラクターの動機を整理する
- 事件の流れだけでなく、登場人物がなぜ動くのかを意識しましょう。
- 例:「主人公=村を守りたい」「仲間=過去の復讐」
- ラストを先に決める
- 物語がどこに着地するのかを最初に決めておくと、途中が迷いにくくなります。
注意したい落とし穴
プロットを組むときに気をつけたいのは以下の点です。
- 詰め込みすぎない:イベントを増やしすぎると整理しきれなくなります。
- キャラクターの行動に無理がないか確認する:強引に展開させると違和感が出ます。
- あくまで目安と考える:プロットに縛られて創作が楽しくなくなるのは本末転倒です。
プロットは道しるべであり、縛るための鎖ではありません。
プロットと執筆のバランス
「プロットを作り込む派」と「ほとんど作らない派」がいます。初心者のうちは、最低限の道筋だけは決めておく のがおすすめです。
例えば以下の3つを決めるだけでも安心です。
- 物語の始まり(どんな状況で始まるか)
- 物語の山場(どこで最も盛り上がるか)
- 物語の結末(どう終わるのか)
これだけ決めれば、執筆中に迷ったときも「今どの地点にいるか」がわかりやすくなります。
まとめ
- プロットは 物語の地図 のようなもの
- 基本的な型(起承転結や三幕構成)を利用すると流れが作りやすい
- 「あらすじ → 出来事の箇条書き → 配置 → 動機整理 → ラスト決定」の流れで作れる
- 詰め込みすぎない・キャラクターを無理に動かさない・目安として使う ことが大切
- 最低限、始まり・山場・結末を決めておけば安心
プロットは堅苦しいものではなく、あなたの創作を支える 味方 です。
次回予告
次回は 「文章表現のコツ」 をテーマにお届けします。プロットをもとに書き始めても、文章がぎこちないと物語の魅力が伝わりません。表現を磨くポイントを一緒に見ていきましょう。
コメント